TBSドラマ「アンナチュラル」1話を観て、今岩手県で起こっていることを考える

TBSドラマ「アンナチュラル」1話を観て、今岩手県で起こっていることを考える

石原さとみさんが主演のドラマ「アンナチュラル」は2018年1月から3月まで、TBS系で放映されたドラマです。

面白いと聞いていたのですが、観る機会を逃していました。

ですが、アマゾンプライムで配信されているのを見つけて、遅ればせながら観始めました。

第1話は、今のコロナ禍を予言しているかのような内容に正直驚きましたが、もっと恐ろしいと思ったのが、

第3者による誹謗中傷が、今岩手県で起こっている感染者第1号の方に対するものと近いものがあったからです。

目次 Contents

「アンナチュラル」第1話あらすじ

ある日、「不自然死究明研究所(以降UDIラボ)」に一般から解剖の依頼が持ち込まれます。

「UDIラボ」とは、先進国の中で最低の水準と言われる解剖率を改善するために設立された研究機関で、警察や自治体から依頼された死因の分からないご遺体を解剖しているという設定です。

今回解剖の依頼をしたのは、息子の解剖を依頼に来た夫婦です。

健康で若い35才の息子(高野島 渡)の「虚血性心疾患」をいう死因に納得がいかないとのことで、UDIラボが解剖をすることになりました。

解剖を担当するのが、石原さとみさんが演じる法医解剖医「三澄ミコト」です。

解剖をするうちに、高野島さんと仕事で親しい間柄だったという女性も突然死していたことが分かります。

高野島さんが、中東(サウジアラビア)に出張していたこと、その女性と同時に風邪をひいていたことから、高野島さんがMERS(中東呼吸器症候群)に感染していたことを導き出します。

そこからは今、日本でも起こっていることが起こりました。

感染者へのバッシングです。

SNSでの書き込み、マスコミの取材など、被害は両親へも向かいます。

さらに高野島さんは、帰国後3日目にに健康診断のため大学病院を訪れていたのでした。

そしてその大学病院でも感染が広まっていたのです。

その時の状況は描かれていませんが、誹謗中傷はさらに激しいものとなっていたでしょう。

本名も、顔写真もさらされて、極悪人扱いだったと、高野島さんの恋人が語っていました。

ところが、高野島さんが帰国後すぐに会っていた、いわゆる濃厚接触者の恋人はMERSを発症していず、抗体もできていなかったことから、高野島さんが中東で感染したのではないという結論が導き出されます。

最終的には、健康診断を受けたという大学病院でのウィルス漏れでの院内感染が、高野島さんの感染源だった、という結果でした。

今、岩手県では

新型コロナウィルス感染症が広くまん延している中、岩手県だけは感染者ゼロを保ってきました。
ところが、7月29日に感染者が確認されたというニュースが入ってきました。

そしてどうやら、感染した男性への誹謗中傷、名前を特定しようとする動きなどが始まってしまっているようです。

この男性の行動歴を非難している方もいるようですが、どこで感染したかなど、誰一人として特定できないはずです。

特にこの新型コロナウィルスは、無症状の感染者ですら感染能力があるという、非常にたちの悪いウィルスです。

旅行から帰ってきてから、地元で感染してしまったことだって十分に考えられます。

たまたま、感染が判明したのが第1号というだけで、感染者の第1号ではないかもしれないのです。

さて、この男性の勤める企業では、HP上に社員が罹患したことを報告するという対応を取りました。

この報告を見て、接触者が気を付けて早めに検査を受けるなどの対処をすれば、まん延を防ぐことができます。

この会社は、お客様の不安を考えて公表するという、非常に潔い正しい行動をとったと思うのですが、あろうことか、中傷を含む問い合わせ電話や、いやがらせメールなどの被害を受けてしまいました。

(直接訪れて文句を言う人もいたとか・・・。それこそ不要不急)

こんなことがあると、感染を隠すということが起こりますよね。

感染を隠していると、ますます感染は拡大していきます。当たり前です。

感染したら悪か?

感染したら悪?そんなわけありません。

新型コロナウィルスにはワクチンも特効薬もありません。

予防は、
・3密を避ける
・手洗いを徹底する
・うがいをする
・症状がなくてもマスクをする
など、基本的なことだけです。

それでも、絶対にウィルスに感染しないわけではありません。
予防生活を送っていても、ウィルスの脅威は身近にあります。

普通の風邪と一緒で、「たまたま」「仕方なく」感染してしまった方が大半だと思います。

東京に住んでいる私も、本当に他人ごとではありません。

まとめ

「アンナチュラル」を観て、日本で起こっている感染者に対するバッシングが現実化していることに、驚きを感じています。

病気になってしまった人が罪悪感を抱かないといけない社会はおかしいですよね。

このコロナ禍において、改善されるべき日本人の心の癖だと感じました。

そんな風に感じた「アンナチュラル」第1話の感想です。

MERSについて

「アンナチュラル」第1話に登場しているMERSは平成24年9月以降、サウジアラビアやアラブ首長国連邦など中東地域でひろく発生している重症呼吸器感染症です。

病原体はコロナウィルス科ベータコロナウィルス属のMERSコロナウィルス

感染経路はヒトコブラクダ。

幸い、日本には輸入症例がなく、パニックにはなりませんでした。

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