ヨガとともに女性の習い事として人気を集めているピラティス(pilates)。
その素晴らしさに触れ、ピラティスを教えたいと思い、資格を取る方が増えています。
たくさんある、資格団体の中から、どこを選んだらいいのか、資格を取った後の仕事、収入などを調べました。
※この記事は2019年9月のものですので、金額、期間など最新のものをご確認ください。
目次 Contents
ピラティスとは
ピラティスとは、ドイツ人のジョセフピラティス(Joseph Pilates)さんが、考案したエクササイズです。
第一次世界大戦中の捕虜仲間を独自のメソッドでリハビリをしたものが原点となっていますので、
「ピラティスはリハビリ生まれ」と称されています。
「ピラティス」の資格について
ピラティスさんは「ピラティスメソッド」についての、きちんとしたルールを残さずに亡くなってしまいました。
ピラティスさんの死後(1967年)、10年ほどたったころ、ロマーナ・クリザノウスカという一人の弟子が、
「ピラティス」という名前を商標登録しました。
ほかの弟子たちは「ピラティス」という名前を使えなくなってしまったことから、裁判が起こります。
その結果、
裁判所は「ピラティスメソッドは総称であり、誰もそれを所有しておらず、世界の誰もが取り組み、恩恵を受けることができる普遍的なものである」との判断を下したのです。
「ピラティスバイブル」より引用
その裁判が終結したのは、2000年10月でした。「ピラティス」という商標登録は認められず、誰しもピラティスの名を使ったエクササイズを提供できるようになったのです。
いいことばかりではありませんでした。
ピラティスという名前が一人歩きをし始め、本来のピラティスとは言えないようなエクササイズもピラティスと称して、提供されるようになってしまったのです。
つまり、ピラティスの資格というのは、だれでも資格を提供することができる、というものなのです。
本当に信頼できる団体から、そうでないものまでピンキリなのです。
どの団体で資格を取るのがいいのか
一つの目安として、PMAに加盟している団体を選ぶことをおすすめします。
PMAとはPlilates Method Allianceの略です。
先ほどの、ピラティスの商標登録をめぐる裁判の後に、ジョセフピラティスさんの弟子が4人集まって設立した団体です
ピラティスの質とその真髄を維持していくために作られたもので、主要なピラティスの流派は多くがそちらに加盟しています。
つまり、ピラティスの資格を取ろうと思い立ったならば、
PMAに加盟している団体から選ぶのが安心ということです。
各流派について
BASI ピラティス
PHI ピラティス
Stott ピラティス
Peak ピラティス
Polestar ピラティス
BASIピラティス
正式名称:BASI Pilates(Body Arts and Science International)
創設者:Rael Isacowitz
設立年:1989年
本部:アメリカ合衆国・南カリフォルニア
日本では:株式会社ぜん
創始者のラエル・イサコウィッツ氏は元ダンサーです。
動きに無駄を作らないFlow Workが特徴です。
ピラティスのエクササイズをいくつかのレパートリーに分類したBlock Systemがあり、
そのブロックからエクササイズを選択すれば、バランスよく全身を使えるという方法を教わります。
マット資格通常コース(土日集中)
期間:7日間(3か月)
全6日間(6時間/1日)+試験(1日)
※他に指導試験
費用:306,000円(税込 2019年9月末まで)
300,000円(税抜き2019年10月から)
マット資格短時間平日コース(平日)
期間:13日間(3か月)
全12日間(3時間/1日)+試験(1日)
※他に指導試験
費用:450,000円(税込 2019年9月末まで)
430,000円(税抜き2019年10月から)
どちらのコースも36時間の授業とテストです。
期限は1年間です。
平日コースには特典がついている(プライベートチケット、その他など)ため、
費用の違いとなっています。詳しくは説明会などへ
資格取得必須項目(両マットコース共通)
・指導練習(30時間)
・レッスン見学(20時間)
・自己練習(100時間)
筆記と実技の試験、指導実技試験に合格し、すべての課題を1年以内に終了することで、認定を受けることができます。
マシンコース(土日)
期間:13日間(6か月)
全12日間(6時間/1日)+最終試験(1日)
他に指導試験
費用:556,000円(税込 2019年9月末日まで)
530,000円(税抜き2019年10月から)
※対象者:
BASIピラティス・マットコースを終了している人
他団体マット卒業生
資格取得必須項目
・指導練習(170時間)
・レッスン見学(80時間)
・自己練習(200時間)
Comprehensiveコース(マット&マシン)
※マット資格とマシン資格を同時に取得するコースです。
総時間数108時間+試験2日
費用:810,000円(税込 2019年9月末日まで)
770,000円(税抜き2019年10月から)
資格取得必須項目は
マットコースとマシンコースと同じです。
マットコースとマシンコースを同時に受講できるコースで、お値段が少し安くなっています。
PHIピラティス
正式名称:PHI Pilates
創始者:Christine Romani-Ruby
本部:アメリカ合衆国・ピッツバーグ
日本では:PHI Pilates Japan as therapeutic Exercise & Conditioning
創始者ルヴィ氏は理学療法修士・ATC(NATA公認アスレチックトレーナーの資格を持っています。
自身の理学療法クリニックを主宰し、カリフォルニア大学准教授も務めています。
つまり、PHIピラティスは、医学的な運動療法をベースにしている流派とも言えます。
マットⅠ&Ⅱ養成コース
期間:4日間(8時間)+認定試験
費用:220,000円(税別)
プロップス資格認定コース(ピラティスリング)
受講料:98,000円(税別)
バレル資格認定コース(バレル)
受講料:68,000円~108,000円(それぞれ税別)
チェア資格認定コース(チェアー)
受講料:128,000円(税別)
Stott Pilates
正式名称:Stott Pilates
創設者:Moira Merrithew(旧姓Stott)
設立年:1988年
本部:カナダ
日本では:ZONE by ビーキューブインストラクターアカデミー
創始者旧姓ストット氏はバレエダンサーで、慢性的な足の故障のため引退し、ピラティスを勉強はじめ、
自分の流派を立ち上げました。
初級・中級マットコース
期間:8日間
全8日間(5時間/1日)
費用:320,000円(税別)
課題:
レッスン見学(10時間以上)
自主練習(30時間以上)
指導実習(15時間以上)
上級マットコース
期間:1日
6時間
費用:40,000(税別)
初級・中級リフォーマーコース(マシン)
期間:10日間
全50時間(5時間×10日間)
費用:370,000
課題:
レッスン見学(10時間)
自主練習(40時間)
指導実習(25時間)
上級リフォーマーコース
期間:
費用:120.000円(税別)
初級中級キャデラック/チェア/バレルコース
期間:10日間
全50時間(5時間×10日間)
費用:370,000円(税別)
課題:
レッスン見学(20時間)
自主練習(35時間)
指導実習(25時間)
上級キャデラック/チェア/バレルコース
期間:2日間
全12時間
費用:80,000円(税別)
Peak Pilates
正式名称:Peak Pilates(Mad Dog Athletics社)
本部:カナダ
日本では:Pilates Allianceにて養成コースを主宰
マットのみのコースはベーシック→インターミディエイト→アドバンス
ベーシック・マット・インテンシブ
期間:3日間+試験
費用:151,200円
課題:
レッスン見学(10時間)
自己練習(35時間)
指導練習(30時間)
インターミディエイト・マットコース
期間:2日間
費用:86,400円
課題:
レッスン見学(10時間)
自己練習(10時間)
指導練習(10時間)
アドバンス・マットコース
期間:2日間
費用:86,400円
課題:
自己練習(15時間)
指導練習(15時間)
コンプリヘンシブ レベル1
期間:10日間(試験含む)
課題:レッスン見学(25時間)
自己練習(60時間)
指導時間(35時間)
費用:480,600円
コンプリヘンシブ レベル2
期間:5日間
費用:266,760円
課題:
レッスン見学(20時間)
自己練習(20時間)
指導練習(20時間)
コンプリヘンシブ レベル3
期間6日間
費用:281,880円
レッスン見学(20時間)
自己練習(20時間)
指導練習(20時間)
ポールスターピラティス
正式名称:Polestar Pilates
創始者:Brent Anderson
設立年:1992年
日本では:ジャパンホストセンター(ボディワークスタジオ元気工房)
代表のアンダーソン氏は理学療法士や整形外科の認定スペシャリストでありますので、リハビリテーションに強いピラティス流派といえます。
マット養成コース
Gateway マットコースを受講
オンライン学習(10時間)
マットインターミディエイト(実技2日間)
マットアドバンス(実技1日間)
費用:226,800円(税込ただし2019年9月現在)
※認定試験受験(別途43,200円税込ただし2019年9月現在)
リフォーマー養成コース
Gatewayリフォーマーコースを受講
オンライン学習(10時間)
リフォーマーインターミディエイト(実技2日間)
リフォーマーアドバンス(実技2日間)
費用:270,000円(税込ただし2019年9月現在)
※認定試験受験(別途48,600円税込ただし2019年9月現在)
コンプリヘンシブ養成コース
Gatewayマットコース
Gatewayイクイップメントコースを両方受講
オンライン学習(10時間)
実技:8日間
費用:648,000円(税込ただし2019年9月現在)
※認定試験受験(別途54,000円税込ただし2019年9月現在)
各コース課題あり
どの流派を選べばいいのか
このほかにも多くの流派があり、インストラクターの養成コースを開いています。
マットとマシンの両方の資格を取ろうと思うと、かなり高額になってきますので、
後悔しないためにも、しっかりと見極めるのが大切です。
創始者のバックグランドが各流派の特色を作っているともいえます。
あなたが例えば医療従事者で、リハビリなどにピラティスの資格を生かしたいと思うのであれば、
理学療法士などのバックグラウンドを持っている創始者の流派が合っているかもしれません。
あなたが、例えばバレエダンサーだったら、創始者がダンサーの流派が合うかもしれません。
ちなみに、私もピラティスインストラクターの資格を持っています。
私はBASIピラティスで資格を取りました。
BASIピラティスの創始者はダンサー出身です。
でも、私は医療従事者でもあります。
なぜ、医療従事者の私が、ダンサーが作った流派を選んだかというと、
ずっとその流派のインストラクターの指導を受けていて、単に「好き」だったからです。
もし、あなたがピラティス自体を受けたことがなかったとしたら、
ぜひ、色々なところで、色々な流派のピラティスを受けてください。
そして、その中で、自分に合うと思う流派を選べば後悔はないはずです。
資格を取ったそのあとは
ピラティスの資格は、国家資格ではなく民間独自の認定資格です。
ですので、資格があるだけだったら、何も意味をなしません。
経験を積んでいかないと、その資格は意味を成しません。
※どんな職種も一緒ですが。
「ピラティスインストラクター 求人 地名」
で検索すると多くが出てきます。
私は資格を取った「BASIピラティス」を日本でとりまとめている
「株式会社ぜん」と外部講師契約をして働いています。
こちらは、ピラティス専門スタジオ(旧BASIピラティス、旧ピラティススタイル)、ヨガスタジオ(ヨガプラス、ビクラムヨガ)などを経営しており、そのピラティス専門スタジオ(旧ピラティススタイル)にて外部講師を募集しています。
自分が住んでいる場所と、働きたい時間を考慮して働けます。
また、正社員も広く募集しています。資格をまだ取っていない人は、社員になってからスクールにいくことも可能です。
このように、インストラクター養成スクールで、その後のキャリアの相談をすることもできますので、まずは説明会に行っていろいろな疑問を聞いてみることをオススメします。
その他ピラティススタジオ、もしくはヨガスタジオなども独自に求人をしています。
ピラティスインストラクターの収入
働き方にもよります。
正社員として従事するか、フリーランスとして仕事するか、独立開業するか、主に3つの道があります。
◆正社員として入社した場合
ピラティススタジオや、フィットネスジムで正社員として働いた場合(東京都内)300万円前後が年収と推測されます。
人気が出てくると、プラスアルファで給与に上乗せされて行く方式を取っているところもあり、人気と収入が連動していく場合もあります。
経験を積んで、スキルを上げていくのが自分のキャリアアップにつながります。
◆フリーランス
自分の好きな時間に、都合のいい地域を選んで働けるので、主婦や、日中働いているかたなど、自由に仕事ができます。
ただし、自分の条件と、募集をしている店舗がぴったりと合わないこともあり、譲歩する場合も出てきます。
そして、収入は働いた分だけ入ってきます。
1レッスン×レッスン代、という形です。自分の働いた分だけ収入が増える形なので、やる気次第で収入は上がっていきます。
1レッスンは、2000円(私が知っている最低料金)から6000円以上と、幅があります。
1レッスンの平均受講数によって、レッスン代が変わったりもしますので、キャリアを積んで人気を集めていけば、
どんどん収入を増やすこともできます。
フリーランスは体調管理が最も重要です。
体調を崩して、レッスンに穴をあけると、ペナルティを取られる場合もあります。
さらに、働かないと収入はなくなってしまいます。
自分が商品なので、自分のキャリアを上げることと同時に、体調管理を万全にすることが重要になります。
◆スタジオを開業する
自分でスタジオを開いて、クライアントを集めることで収入を得ます。
クライアントさんからのレッスン代がそのまま自分の手元に入ってきます。
ただし、スタジオを開く際の初期投資や、場所を借りる場合の家賃、光熱費、広告費などのランニングコストがかかります。
それ以上の収入がないと、生活していけません。
ピラティスインストラクターとしてのキャリアと同時に、経営の能力も求められる厳しい世界です。
逆に自宅に部屋が余っている、自分の収入で生活できなくてもよい(夫が生活費を稼いでくれる)という方は、自宅開業に向いているかもしれません。
フリーランスで働くとなっても、やはり決められた曜日、時間にレッスンを持つと、それを動かすことは難しいです。
自分や家族の予定を見ながら、クライアントさんの予定を組んでいけますので、特に主婦には最高の働き方かもしれません。
自宅に呼ぶとなると、クライアントも選ぶ必要がありますので、口コミなどで徐々に増やしていければ安定した収入にもつながります。
まとめ
「ピラティス」のインストラクター資格は、民間の資格です。
極論を言えば、資格を取らなくてもピラティスのインストラクターとして仕事をすることもできます。
ですが、人の身体に携わるわけですし、高度なスキルを必要とする仕事です。
信頼のおける団体できちんとトレーニングを受けて、資格を得ればインストラクターとしての信頼度が上がります。
自分に合った流派をきちんと見定めて、納得のいく養成コースを選びましょう。
かなり高額で資格をとるための課題も多いですが、
資格が取れたあとには、インストラクターとして働く自覚が沸いてくるはずです。
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