ペットを亡くすのは、家族を失うのと一緒です。
大事な家族を失ってペットロスになってしまったとき、どうしたらいいのでしょう。
「ペットロス」に関する講演を聞いてきたので、考察したいと思います。
目次 Contents
ペットロスとは
ペットロス(ぺっとろす)とは、飼っていたペットをなくすこと。別れに伴って「悲しい」という感情に見舞われることです。
これは、個人差はあっても特別なことではありません。
家族同様に愛してきたペットを失うことが、悲しくないわけないのです。
ただ、その悲しみにくれる状態からなかなか抜け出せず、重症化して心身に不調をきたしてしまった状態が問題となります。それをペットロス症候群といいます。
ペットロスになる原因
近年のペットと飼い主を取り巻く環境は大きく変化してきています。
ちょっと昔だと犬は「番犬」として外でつなぎっぱなしで飼われたりしていましたが、
今は家の中で居場所を与えられているのがほとんどです。
※いまだに外飼いのお宅はあるようですが・・・・。
今やペットは「愛玩動物(あいがんどうぶつ)」「コンパニオンアニマル(伴侶動物)」として、
地位を向上させてきました。
さらに、核家族化、少子化といった人間社会の環境の変化と重なって、ペットは家族の一員とみなされています。
そして、獣医学の進歩によってペットの寿命も延びてきて、長く一緒にいられる時間が増えてきました。しかし、その分だけ、別れの時の悲しみが深く大きなものになってしまうのです。
ペットロスの心理状態
ペットが死んでしまい、ペットロスになった時に起こる悲しみの感情は5段階に渡ると言われます。
①否認・・・ペットの死を受け入れられず、否定する
②怒り・・・ペットの死を獣医や家族、自分のせいにして、周囲に怒りを向ける。
③取引・・・ペットの死を何かと引き換えにして復活させたいと望む
④抑うつ・・何に対してもやる気が起きず無気力でただ悲しみにひたる
⑤受容・・・ペットの死を受け入れ、徐々に悲しみが薄れていく
参考:精神科医キューブラー・ロスによる
この4までの段階をそれぞれ経験していくことで、悲しみが徐々に薄れていき、だんだんとペットの死を受け入れられるようになって、ペットロスから抜け出していけるのです。
もちろん、ペットとの関係、飼い主の精神状態などからもかかる時間は変わってきます。
この5段階は、対象がペットではなく、例えば、家族や友人が亡くなったときの喪失経験でも普通に起こることです。
ただし、ペットロスの特徴として、周囲の人たちが必ずしも理解できない場合があります。
どういうことかというと、家族が亡くなった場合、周囲の人たちはほとんどがその悲しみを理解し共感してくれます。
ただ、ペットを飼ったことがない人、動物が好きではない人は、ペットを亡くしたことに関して、
全く理解できない、という場合があるのです。
その、認識の差が、心無い言葉になって表れて、ペットロスで苦しんでいる人をさらに傷つけてしまうということも起こり得ます。
同じペットを飼っていた家族の間でも、ペットに対する愛情の違いから、その認識の差は生まれてしまうことがあります。
ペットロスの対処法~立ち直る方法
◇しっかりと悲しむ
大事な家族同様のペットを失ってしまうと、悲しいですよね。
まずは、きちんと「悲しむ」ことが大事です。
悲しみを悲しみ、苦痛を苦痛として味わうことが唯一の克服方法である。
現実と向き合うことが辛く、悲しみから目を背け、「自分は大丈夫」と心に嘘をつくと、いったんは楽になるかもしれませんが、きちんと悲しんでおかないと、あとからトラウマのように悲しみが蘇り、かえって長く苦しむ結果になることもあるそうです。
男性や家庭の主婦は、仕事場や家庭の中でいつまでも悲しんでばかりはいられません。
気がまぎれるという点では、仕事に没頭することもペットロスの対処法となるかもしれませんが、できれば、一人になったときにでも我慢せずしっかりと泣いておくことをおすすめします。
「涙活(るいかつ)」という言葉があるように、涙を流すことは人間の自律神経を交感神経優位から副交感神経優位へと切り替えると言われています。しっかりと涙を流して、愛するペットの死を悼む行為は、悲しみを癒す行為でもあるのです。
◇SNSを利用する
周りにいる人に、ペットロスのことを相談できればそれが一番いいですが、そうできない場合もありますね。
その場合は、ぜひSNSを利用することをおすすめします。
SNSは同じ趣味を持っている人たちがフォロワーになることが多く、犬であれば同じ犬種の仲間がたくさんできます。
そして、その人たちは、ペットを亡くすことを経験している人たちも多く、ペットロスについての投稿をすれば、反応をしてくれる人もいます。
たとえ、「いいね」などの反応が無くても、自分の悲しい気持ちを投稿して、吐きだすだけでも大きな癒し効果につながります。同時に同じようにペットロスで苦しんでいる人もいるので、孤独感を感じずに済む場合もあります。
◇プロの手を借りる
あまりに長引くようならば、カウンセラーや心理系の専門家に話を聞いてもらうことが必要かもしれません。
周りの人やSNSの友達は優しく見守ってくれるかもしれませんが、「抑うつ」がひどくなり身体の不調を伴うようになってきたら、プロの手を借りましょう。
◇一日の過ごし方を変える
ペットがいると、食事の時間や散歩の時間があり、一日のスケジュールが決まってきます。
特に犬の場合はお散歩がありますので、朝や夕方は散歩の時間を優先して自分のスケジュールを決めたりします。
ペットが亡くなった後は、ご飯の時間や散歩の時間に悲しくならないように、用事を作ったりしてスケジュールを変えましょう。
◇新しいペットを迎える
新しいペットを迎えることもペットロスから立ち直るきっかけになります。
ただし、亡くなったペットの死をきちんと悲しみ、死を悼む時間を取れないまま、すぐに新しい子を迎えると問題も起こります。
あまりに早く迎えると、亡くなった子と、新しく来た子を同一視したり、代用として考えてしまいます。そうなると新しいペットと亡くしたペットを比較してしまい、新しいペットを愛せなくなってしまうこともあるようです。
十分にペットの死を悲しみ、受け入れて、準備ができたら新しい子を迎えてあげたいですね。
ペットロスの予防法~ペットロスにならないためにできること
◇後悔しないように、生きている間にできることをする。
ペットが亡くなる原因は様々です。
老衰で大往生の場合は別として、病気や事故などで亡くなるペットの場合は、飼い主が後悔することが多々あります。
「あの時○○しておけば・・・」
「あの時○○しなければ・・・」
こんな風に思わずに済むように、ペットが生きている間は、できることを全部やり切るのです。
病気を早期に発見できるように、普段からしっかりとコミュニケーションを取る。
病気にならないように食事に気を付ける。
病気の予備知識を得る。
危ないと思うことがあれば、それを排除する。
など、できる限りのことを備えておけば良いのです。
備えてもどうしようもないことがありますが、それはそれで運命なのだと受け入れることができるでしょう。
◇健全な死生観をはぐくむ
生きているモノすべてに訪れる「死」に対して、必要以上に恐れることがないように、死に対する名言などを読んでおくといいそうです。
講演会「ペットロスの処方箋2019」より
ペットはたとえ病気になっても、特に「死」に対して恐怖心など抱かず、淡々とその命を全うします。
ペットがその生を全うし、私たちのそばから去っていってしまったとしても、生物として当たり前のものと受け止めたら、残された方も少しは気持ちが楽になるかもしれませんね。
周りにペットロスの人がいる場合
無理に励まさず、共感して寄り添ってあげるのが一番です。
自分がペットロスを経験したことがない場合、共感すらできないと思います。
その場合は、安易に励まさず、その人がしっかりと悲しめる状況を作ってあげて欲しいと思います。
最後に~ペットは虹の橋で待っている
この世を去ったペットたちは、天国の手前の緑の草原に行く。
食べ物も水も用意された暖かい場所で、老いや病気から回復した元気な体で仲間と楽しく遊びまわる。
しかしたった一つ気がかりなのが、残してきた大好きな飼い主のことである。一匹のペットの目に、草原に向かってくる人影が映る。
懐かしいその姿を認めるなり、そのペットは喜びに打ち震え、仲間から離れて全力で駆けていきその人に飛びついて顔中にキスをする。死んでしまった飼い主=あなたは、こうしてペットと再会し、一緒に虹の橋を渡っていく。
ウィキペディアより引用
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