
息子がおりまして、東京大学に通っています。
ある日、何気なく、我が家の教育方針で
息子自身にとって、役に立ったものは何かと聞いてみたのです。
いくつかあげてくれましたが、中でも
中学受験をさせてくれことが一番よかったと答えました。
中学受験をして、その後の人生で
どんなことがメリットとして感じられたのか、さらに詳しく聞いてみました。
ほとんど10年前の経験となります。
そして、これは一人の意見です。
ですが、中学受験をすること(させること)を、
迷っている親御さんがいらしたら、少しでも参考になればと思い書きました。
以下は、中学受験を経て私立中高一貫校に通い、
現役で東京大学に入学した本人が、
中学受験で得た恩恵と感じていることです。
◇勉強する習慣ができた
◇勉強のやり方を身につけることができた
◇時間の使い方がうまくなった
◇自分に合った中学校に行けた
◇中学校、高校と続けて部活ができた
◇一生付き合える友達に出会えた
以上を親が補足しながら解説します。
目次 Contents
勉強する習慣ができた
息子が受験したのは2010年の2月です。
その頃、公立学校はゆとり教育の終わりころ。
ゆとり教育とは
日本において2002年度以降から2010年代初期まで実施されていたゆとりある学校を目指した教育のことである。ゆとり教育は「詰め込み教育」と言われる
知識量偏重型の教育方針を是正し思考力を鍛える学習に重きを置いた経験重視型の教育方針をもって、
学習時間と内容を減らしてゆとりある学校を目指し、
1980年度、1992年度、2002年度から施工された学習指導要領にあった教育のことである。
ウィキペディアより
特に2002年から施行された学習指導要領では
・学習内容を3割削減(小中学校)
・授業時数を削減
・完全週5日制
・総合的な学習の時間
などが盛り込まれ実施されました。
公立の学校に子供を行かせていたのでは、
学力が身につかないのではないかと思った親たちが、
こぞって私立中学の受験を考えるのは当たり前といえば当たり前。
さらに高校、大学も推薦などで入学できる時代です。
がむしゃらに努力して勉強する経験がなくても、
大学へ入学できてしまうのです。
(難関高校、難関大学は別ですが、、)
そこへ来て、小学校では「総合的な学習」を試行錯誤で
行っていて、大切な基礎学力が身につくとは思えなかったのです。
何か特別に光るものがあるとか、小さいころから天才肌とかのお子さんだったら、
どんな方法で教育していっても、何かしら大成するでしょう。
でも普通の子供、一般的な子供は、多少なりとも
親が道を示してあげて、努力する体験をさせることって絶対大切なことです。
反対意見も良く聞きますが、これは私見なのでご了承ください。
要するに、受験を通して、「努力をする」という経験を与えているのです。
結果として、勉強の習慣が身につくのです。
もちろん、公立の中学校からでも、難関高校への受験で頑張る子はたくさんいます。
ところが、小さいうちから勉強というものを知らずに
大人になってしまう場合もよく見受けられます。
そういうことを考えると、普通の子供こそしっかり小学生のうちから勉強習慣をつけておくのは
親の役目と考えます。
そう思って受験勉強をサポートしていました。
そして、息子がそれを理解してくれていたのは大変嬉しかったです。
※2011年から2013年の間に改訂された学習指導要領では、
「脱ゆとり教育」を目的にし、
学習内容は2002年度以前の水準へと復帰しました。
勉強のやり方を身につけることができた
勉強って、やっぱり覚えることは必須なんです。
記憶して、頭にとどめないと考えることだってできません。
詰め込み教育への批判からゆとり教育は始まりました。
でも詰め込むことも大事なんですよね。
そして、詰め込むためには、何度も読んだり、
声に出して覚えたり、繰り返し書いたりすることで
記憶していきます。
受験勉強の中では、何度も繰り返すことによって、
色々なことがらを覚えていくという過程を踏みます。
つまり、自然と「コツコツ努力をする」ことを身に着けていけるのです。
私は、教育にも少し携わっています。
どちらかというと、小さいときから
勉強というものをしていなかった(であろう)人たちを相手にすることが多いのですが、
勉強をどうやってしたらいいのか分からない、という話をよく聞きます。
もちろん、大人になってからでも、やる気になれば勉強のやり方は身につけることはできます。
でも、入学試験を受けたい、資格試験を受けたい、など、いざ勉強しなきゃならないという時に、
勉強の仕方から身につけなくてはならないと、
時間がかかってもったいないですよね。
子供の時にもっと勉強しておけばよかった、という意見も実際によく聞くのです。
子供のうちに「勉強の仕方」を身につけておくと、後々助かります。
小学生の時に身につけた、勉強のやり方は一生ものの宝物です。
時間の使い方がうまくなった
中学受験のための塾に行き始めると放課後、
友達と遊ぶ時間が減ってきます。
でも、子供って遊びの天才なので、効率よく宿題を終わらせて、たとえちょっとの時間でも集中して遊ぶことができるのです。
時間の使い方がうまくなる=集中力を身につけると言い換えてもいいかもしれません。
この集中力は、大学受験の時に大変役にたっていました。
息子は中学・高校とサッカー部に所属していました。
息子の学校のサッカー部は強かったのもあり、部活の日数が多く週末もつぶれることが多々ありました。
そんな中で、高校1年生から大学受験のための予備校通いが始まりました。
部活のない日に予備校の授業を受けて、
部活がある日はサッカー部の練習後に予備校併設の自習スペースに行って勉強する、という生活を送ってました。
高校3年生の8月いっぱいまで部活を続けていましたので、約2年半そんな生活です。
部活動を引退してからは、2週間ほどぼーっとしていましたが、さすがに9月なので焦り始めたのか、
予備校にほぼ毎日行き、授業を受けたり自習をしていました。
特に時間がないときの方がすさまじい集中力を見せることがあります。これは、中学受験勉強の恩恵だと感じています。
自分に合った学校に行けた
これが中学受験をする一番大きなメリットではないでしょうか。
学校の教育方針、雰囲気、先生、部活。選ぶ基準はひとそれぞれでしょうが、
親の価値観と、子供の性格などと照らし合わせて、ぴったりと合う学校を選び、通うことができるのは子供にも親にも本当に幸せなことだと思います。
親の行かせたい学校、子供が行きたい学校がぴったり一致してるのが最高です。
そうなるためには、まず親がしっかりといろいろな中学校の情報を集めるなくてはなりません。
情報の集め方は
子供の友達の兄弟姉妹が通っている中学のナマの声を聞く
学校説明会に行く
学校が出している資料を集める
インターネットで調べる
など多々あります。
ある程度、絞ったら、実際に学校に行って、雰囲気や空気感を感じてみましょう。
運動会や、文化祭、学校体験など、学校側は受験生に用意しています。
そこで、自分の子供がその学校に通っていて、
その場にいるという想像をすると、
すごくフィットする感覚が得られることもあれば、
違和感を感じたることがあります。
親もそうですが、子供も感じるようです。
条件的にも、子供の成績的にも、とても合う学校があり、文化祭に子供を連れていったら、
子供は「なんか違う」と言っていました。
理由を聞いても「なんとなく」としか言いませんでしたが、
この「なんとなく」という感覚って割と大事かもしれません。
色々な学校を息子と訪問するうちに、「ここに行きたい」という学校に出会えて、
志望校が決まりました。
本人がぜひ行きたい、と思える学校を志望校にすると、
そのあとの勉強に対する熱意が変わってきます。
特に男の子は、その傾向が強いみたいです。
我が家の息子はサッカーが大好きで、部活はサッカーと決めていました。
ですので、校風が親の意向と合っている学校の中から、
通える距離
サッカーができる環境
などを考慮して選び、文化祭に連れて行きました。
5年生の5月のことです。
サッカー専用の人工芝のグランドを見せたとたんに、
息子の目がハートになるのが分かりました。
そして、「絶対ここがいい」と言いだし、そこから勉強にさらに熱が入りました。
先ほど、「校風が親の意向と合っている学校」と書きましたが、それは具体的にいうと、
大学附属ではない学校
大学受験のための予備校のような学校はいや
都心型のビルに囲まれた学校はいや
人数が多すぎない学校がいい
我が家の場合は、このように考えていました。
これらの条件を満たした中から選んだ学校を、
息子に提示したので、
息子の行きたい学校が、親の意向と合わないということにはなりませんでした。
親の意見を固める前から、何も考えずいろんなところに学校見学に行くと、
「子供の行きたい学校」と「親が行かせたい学校」との
ギャップが出てくるかもしれません。
そうならないように、受験をしようと決めたら、親御さんは自分の意見や希望をきちんと持つのが大事です。
それぞれあると思います。
・絶対附属がいいという方、
・受験のための準備をきちんとしてくれる学校がいい、という方、
・通いやすい都心に学校があるのがいい、という方
・東大への合格率が高い学校がいい、という方
どれも間違いはありません。自分の意見に自信をもって、学校を選んでください。
中学高校と続けて部活ができた
中学受験に批判的な意見の中で、
小学校の高学年の時代に、遊ぶ時間が無く、身体を使わないのが子供に悪影響を与える、というのがあります。
先ほど述べたように
でも、子供って遊びの天才なので、効率よく宿題をやって、たとえちょっとの時間でも集中して遊ぶことができるのです。
身体を使うのが好きなお子さんは、時間がなくてもしっかりと身体を使うので、あまり心配しなくても大丈夫です。
子供の運動能力を伸ばすゴールデンエイジというのがあるそうです。
それは、5歳から12歳くらいの年代だそう。
それを知ると中学受験のために、運動できなくなるのは
子供に悪影響では、と考える親御さんもいるかもしれません。
でも、時間がないからこそ、子供は寸暇を惜しんで積極的に遊びます。
それよりも私は、高校受験があるために、
中学3年生の数か月も部活ができない方がデメリットと考えます。
高校受験のない中高一貫校は、ずっと部活を続けることができるのです。
体つきが変わり、筋力が付き始める14、5歳の頃に、
運動ができなくなる時間があるののは、もったいないです。
息子本人も同意見。
おまけに中学時代から、高校生の先輩たちと交流があったので、大きな刺激になったと言っていました。
一生付き合える友達に出会えた
選んだ中学が一緒ということで、似たような雰囲気のご家庭が多く、気が合う友達が多かったようです。
それ以上に、6年間同じ学校で成長したということで、特別に結びつきが強くなるような気がします。
中学受験のデメリット
さて、いいことばかり書いていましたが、ここからデメリットです。
息子にデメリットを聞いたのですが、特になし、との答え。
これからは親が考える、デメリットとなります。
◇生活リズムが崩れる
塾は夜まで授業があるので、必然的に寝るのが遅くなることになります。
小学3年生時点で、9時ごろに寝させていたのですが、それが1時間ほどずれ込むようになりました。
◇夜ご飯が遅くなり、家族で一緒に食べられない日がでてくる
塾の授業が終わって帰宅してからの晩御飯でしたので、子供の夕ご飯にしては少し遅くなってしまいます。
また、ほかの家族は先に食べさせていたので、一緒にご飯を食べることができなくなりました。(塾のある日のみ)
生活のことばかりですね。ほかのデメリットはあまり見当たりませんでした。
【重要】最後に
中学受験のメリットを述べてきました。
しかし、子供にその気がないのに、親が強制的に「受験させる」となると話は別です。
安易に受験することを決めないように、しっかりとビジョンを持ってください。
なぜ、中学受験を選ぶのかを、親御さんがきちんとお子さんに説明してあげて、納得させてあげてください。
自分の子供は持ちものではありません。自分とは違うヒトなのです。
親がこう決めたから、従え、では、納得しません。
子供が納得できないのに、塾に入れて、勉強を強いて、ど
こかに入学できたとします。
でも、そこで何かつまづくことが起きると、親のせいにしますよ。
無理やり受験勉強をさせられたから、私は(僕は)こうなったんだ、と。
せっかく、子供の可能性を広げてあげようと思って、
親が受験をさせても、本人が納得せず、
「受験させられた」と思っていたのならば、
その後の人生で、親を恨む場面が出てくるかもしれないです。
そうならないように、親御さんも中学受験をさせることにしっかり向き合い、
お子さんと話し合って、受験を決めてください。
親の期待のためではなく、
自分のために受験勉強をしたお子さんは、その後の人生でも
しっかりと試行錯誤して自分の道を歩んでいけると思います。
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