犬の子宮蓄膿症 しきゅうちくのうしょう 初期症状を見逃さず早期発見をしよう

犬の子宮蓄膿症

子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)とは、この名の通り、

子宮に膿(うみ)がたまる病気です。

避妊をしていないメスの犬に起こりやすい病気ですが、

症状を見逃さなければ、

早期発見でき、適切な処置で完治します。

逆にいうと、見逃して処置が遅れると命の危険さえある

おそろしい病気です。

実は我が家でもペットの犬が3年前に子宮蓄膿症になりました。

その時の経験が、少しでも役に立てばと思います。

犬の子宮蓄膿症とは

子宮蓄膿症とは、生理後(犬の場合はヒートという)の雌犬に起こりやすく、

細菌感染などで、子宮に膿が溜まってしまう病気です。

子宮蓄膿症がヒート後に起こりやすいのは、

犬の生理と関係があります。

犬の生理(妊娠可能な時期)はだいたい半年に一度くらいです。

犬の生理は人間とは大きく違っています。

人間は妊娠しなかった場合、いらなくなった子宮の内膜が剥がれ落ちます。

犬の場合は、妊娠の準備として子宮の内膜が充血し、それが出血として現れます。

出血が終わった後が、妊娠できる期間となります。

出血が無くなる(少なくなる)前後10日くらいが排卵と重なり、

妊娠可能な時期です。

その後約2か月間は黄体ホルモン(女性ホルモン)が分泌され続けます。

出血が終わったあとも、黄体ホルモン(おうたいほるもん)が分泌されているということは、

子宮が「無防備」になっている状態といえます。

黄体ホルモンとは、妊娠を継続しやすくするホルモンです。

このホルモンが出ていない日常の子宮の中は、鉄壁の守りがされており、

万が一精子が入ってきても、精子は絶対生き残ってはいけない仕組みになっています。

つまり、出血が終わって、妊娠可能な時期が終わっても、

黄体ホルモンが出ている時期の

子宮はしばらく無防備な状態が続くのです。

つまり、「感染などをしやすくなる時期」と言い換えることができます。

特にメスは地面に陰部を近づけて、トイレをするので、

雑菌と触れやすいのです。

雑菌に侵入された子宮の中で感染が続き、

結果として膿が溜まっていってしまうのが、

「子宮蓄膿症」という病気です。

では子宮蓄膿症になったらどんな症状が現れるのでしょう。

子宮蓄膿症の初期症状

子宮蓄膿症になると、色々な症状が現れます。

■おしっこを大量にする
■大量に水を飲む
■おしっこに少し膿が混じる
■陰部に膿が見える
■食欲が落ちる
■ぐったりする

我が家の犬は最初の3つの症状が現れました。

実は、知り合いの犬も同じ子宮蓄膿症になったことがあり、

その初期症状の話を聞いていたので、

自分の犬の様子を見てすぐ子宮蓄膿症を疑うことができたのです。

■おしっこを大量にする
■大量に水を飲む

子宮の中で感染したばい菌の毒素が

腎臓の働きを弱めて、

水分がそのまま出てしまうので尿量が増えます。

そして失われた水分を補うために、

水を大量に飲むサイクルが起こります。

ペットシーツを使用するワンちゃんの尿量の変化は

分かりやすいです。

すぐ、シーツがびしょびしょになったり、

何度もトイレに行ったりという様子が見えるでしょう。

ペットシーツにおしっこをする習慣のないワンちゃんについては、

おしっこが大量に出ているかどうか、分かりにくいかもしれません。

散歩中のトイレの時に長くかがんでいたり、

回数多くおしっこをしたり、と

いつもと違うかどうかを、よく見ることが大事になります。

飲み水の量に関しては、

水の容器の様子を見て気が付くことが多いようです。

水を足したばかりなのに、すぐ空になってたりします。

■おしっこに少し膿が混じる

トイレシーツでおしっこをすると、

小さい膿が混じるのが見えるようになります。

本当に小さいので、気を付けてみないとわからないですし、

トイレシーツの習慣がない子は見つけられないかもしれません。

■陰部に膿が見える

今までの3つの症状が出てきて、しばらくすると

陰部に膿が出てきてるのが見えてきます。

ただ、犬が舐めとってしまったり、

閉鎖性といって、外に膿が出てこないタイプの場合は、

この限りではありません。

ここまでのサインで気が付かないでいると、

犬の食欲が落ちたり、

急にぐったりしたりと、

目に見えて具合が悪くなってきます。

処置が遅れると、子宮の中で増殖した細菌の

毒素で血栓ができたり、

腎不全(じんふぜん)がおきたりすることで重篤な状態になります。

また、外に膿が出ないタイプの子宮蓄膿症の処置が遅れると、

子宮が破れて、膿が漏れ出し腹膜炎’ふくまくえん)を起こす危険性が高まります。

腎不全や腹膜炎まで症状が進んでしまうと、

命の危険性も出てきます。

子宮蓄膿症の治療法

動物病院で子宮蓄膿症だと診断された場合、

まず提案されるのが外科手術で子宮と卵巣を摘出することです。

全身状態に問題なく、

麻酔のリスクのある超高齢犬でもない限り

ほとんどの獣医師が、手術を勧めるはずです。

しかし、高齢すぎて手術に耐えられない、

どうしても子供を産ませたいので子宮を取りたくない、

などの理由がある場合に限っては、

子宮を収縮させて、膿を早く排出させる薬を飲ませるという

内科的な治療する場合もあります。

(膿が外に出てくるタイプの子宮蓄膿症に限る)

治療に関わるリスク

外科手術では麻酔のリスクや手術後の感染リスクはゼロではなく、

また、発見が遅れて手術した場合、

子宮摘出の手術は成功しても、

その後、多臓器不全(たぞうきふぜん)を起こして亡くなることがあります。

薬を使う内科的治療を選んだ場合、

治療に時間がかかったり、

完全に膿を除去することができず、再発したりするというリスクがあります。

子宮蓄膿症を予防するには

文献によって異なるため、発症率は記しませんが、

子宮蓄膿症は

子宮を残したままで、

しかも妊娠をしたことがなく、

年齢を重ねたメスの犬に

かなり高い割合で発症するようです。

春の発情期(ヒート)が終わって2か月ほど、

つまり5月から6月くらいの時期ですが、

SNS上で

「自分のペットが子宮蓄膿症になった」

とのつぶやきを見ることが多くなっています。

中には処置が遅れて、亡くなってしまった子もいます。

そうなる前にできること、

それは予防のための避妊手術です。

健康な犬にメスを入れるのに抵抗がある人も多いでしょう。

また、自分のかわいいペットの子孫を残したいと考えてる人も

いることでしょう。

避妊とは外科手術で子宮を取る手術です。

麻酔、術後の感染のリスクはゼロではありません。

避妊手術をすると、ホルモンの関係で太りやすくなる、というリスクもあります。

でも、避妊手術をすることで避けられる病気があるならば、

選択肢の一つと考えてもいいかもしれません。

我が家の犬の場合、迷いに迷って避妊手術をしないまま、

その結果子宮蓄膿症を発症してしまいました。

もし、また犬を飼うとするならば、

絶対に避妊手術をしようと思います。

子宮蓄膿症、我が家の場合 (病院の対応が特殊なケース)

2016年3月初め:ヒート(生理)が始まる
    3月下旬:出血が止まる
    4月上旬:おしっこの量が増えたり、水を飲む量が増えるのに気が付く
    4月中旬:陰部に膿が出てるのに気付く

この時点ですぐ動物病院に駆け込みました。

この時には、子宮蓄膿症であろうと予測していました。

最初に行ったのは、いつも予防接種やフィラリアの予防薬を

処方してもらっていた、いわゆるかかりつけの動物病院でした。

診察の結果、やはり子宮蓄膿症との診断。

この時点で、手術を覚悟しましたが、

この病院の治療は違っていました。

獣医師は薬を処方して、膿を排出させる

内科治療を選択したのです。

特に、全身状態が悪いわけではなく、

年齢も当時5才で高齢とは言えない年齢、

どうしても、子供を産ませたいという強い希望があるわけでもないのに、

なぜか、薬による治療でした。

少し疑問に思いましたが、

普段お世話になっている動物病院だったので、

薬を飲ませ続けました。

2、3週間ほどその動物病院に通い、

薬を飲ませた続けたところ、膿の量は減りました。

ところが、薬を飲ませなくなると、

再び膿が出てくる、ということの繰り返し。

不安になって、セカンドオピニオンとして、

ほかの動物病院を受診したところ、

すぐ手術が必要と言われ、

外科手術をすることになったのです。

外科手術は成功しましたが、

長い間感染が続いていたので、もしかしたら

腎臓に影響が出るかもしれないと言われてしまいました。

その後、毎年腎臓の詳しい検査を続けています。

幸い、今のところ腎臓に影響は出ていませんが、

万が一腎臓が侵されていたら、取返しのつかないことです。

なんで、最初に受診した病院の獣医師が、内科的治療を選択したのか、

いまだに分かりません。

おそらく、手術をする設備の問題だと思われますが、

ほかの病院を紹介してでも、きちんと手術を勧めてくれればよかったのに、と思っています。

ちなみに

手術費用は20万円ほどでした。

動物病院の治療費は、様々なのでもっと価格が安いところもあるでしょう。

手術の当日、午前10時頃病院に入院(絶食)

昼休みの間に手術。

翌日、午後退院。

2週間後に抜糸。

退院から抜糸までの間は、

エリザベスカラー着用。

抗生物質服用。

お散歩はお休み。

そんな生活でした。

まとめ

いぬの子宮蓄膿症は、

症状さえ見逃さなければ、完全に治る病気です。

そして、避妊手術をすれば、防げる病気でもあります。

女の子の犬を家に迎えたら、

病気を防ぐための予防として、避妊手術を考えるのも大切なことです。

避妊手術をしない場合は、常にリスクを予想して、

初期症状を見逃さないようにしてください。

いつも犬の様子を注意深く観察しておくことが、大事ですね。

そして、いざ発症したら、きちんと処置してくれる病院を選んでください。

少しでも治療に不安を感じたら、不義理してでも

ほかの病院に意見を求めてください。

長生きしても20年も生きることができない「犬」。

大事な家族です。

防げる病気はきちんと防いで、天寿を全うさせてあげたいものです。

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