スーパーで買ってきた魚にアニサキス(寄生虫)がいた そんなときの対策、対処法
いつも利用しているスーパーマーケットで買ってきた
アジに「アニサキス」がついていました。
対処法、アニサキスについて調べてみました。
アニサキスってご存知ですか?
最近、増えてきた食中毒の一つ
「アニサキス症」を引き起こす寄生虫の一つです。
実は、アニサキスを見るのは初めてではありません。
約25年ほど前、私が新婚のころ、
買ってきたタラにニョロニョロとした
ひも状の虫がついているのを発見しました。
その時は「アニサキス」という寄生虫の存在を
知らなかったので、半ばパニックになり、
タラごと捨ててしまいました。
その後、医療系の専門学校にて、「衛生学」の授業を受け
寄生虫のことを学び、あの時の虫は
「アニサキス」という名前であるということを知りました。
その授業で、担当の先生が
「イカを釣ったときに、さばいたらアニサキスがいっぱいいた。
でもしっかり噛んで消化すれば大丈夫だから」
と教えてくれたのです。
そこまで恐れる寄生虫ではない、
という知識を身につけてからの、
久しぶりのアニサキスとの遭遇でした。
後日談:その授業の何年後かに、
先生はアニサキスによる食中毒を経験したそうです。
やはりアニサキスをなめてはいけない。
目次 Contents
アニサキスとは
アニサキスは寄生虫(線虫)の一種です。
その幼虫(アニサキス幼虫)は、長さ2~3㎝、
幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見えます。
アニサキス幼虫は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生します。
アニサキス幼虫は寄生している魚介類が死亡し、時間が経過すると内臓から筋肉に移動することが知られています。厚生労働省HPより
アニサキスは目で見ることができます。半透明の糸のようなものが、にょろにょろと動いていたので、今回も発見できました。
そろそろ老眼で、近くが見えづらくなっているワタクシでも発見できました。
今回は3枚にさばいているアジにいました。
もうすでに内臓は取り除いてある状態でしたので、身(筋肉)に移動したのかもしれません。
あるいは皮の外で動いていたので、内臓にいたアニサキスが
さばいているさいちゅうに移ったのかもしれません。
アニサキスによる食中毒(アニサキス症)になったら?その症状
◇急性胃アニサキス症
食後、数時間して、激しい上腹部痛(みぞおちのあたりが痛む)、悪心(吐き気、気持ち悪さ)、嘔吐(吐く)などの症状から始まります。
下痢はありません。
症例の大半がこの胃アニサキス症です。
◇腸アニサキス症
腹痛、悪心、嘔吐の症状が見られます。
時に腸閉塞や腸穿孔を併発することもあります。
※腸閉塞→腸の管がふさがれてしまった状態。
便やガスが腸の中で充満して、腹痛や嘔吐などが起こる
※腸穿孔→腸の壁に穴が開いてしまうこと。
◇消化管外アニサキス症
アニサキスが消化管に穴をあけて、腹腔内に出ていき
腹膜や腹壁などに移動して肉芽腫を形成したりする。
その場所によって、症状は異なる。
※肉芽腫→炎症によっておこる病変。炎症に関わる細胞が集合して、塊(病巣)を作ること。
◇アニサキスアレルギー
じんましんが出る、などのアレルギー症状が起こる。
症例の大半が一番最初にご紹介した胃アニサキス症とのことです。
胃で起こるので、お腹の痛みや吐き気が中心で、下痢をしないのが特徴です。
アニサキス症の治療
今現在、アニサキス幼虫に対する効果的な
駆虫薬は開発されていないそうです。
胃アニサキス症では、消化管内視鏡(胃カメラ)で
胃の粘膜に入り込もうとしているアニサキスを見つけて、
鉗子でつまんで取り除く治療を行います。
腸アニサキス症では、対処療法。
場合によっては外科手術が行われます。
アニサキスを駆除する薬がまだ無い、とのこと。
怖いですね。
なので、なにより予防が大切になってきます。
アニサキスによる食中毒を予防するには
一番の予防は魚介類を生(ナマ)で食べないことです。
でも、日本人ですからお刺身やお寿司を食べなれないのはつらいです。立派な食文化ですから。
アニサキスの特徴として、加熱と冷凍が最も有効な対策になります。
加熱は60度で1分以上
冷凍処理(-20度、24時間以上)をすると感染性を失うので、衛生的に言えば、
生で食べる場合には冷凍処理を施してから刺身にするのが安心です。
オランダでは、1968年に酢漬けで生食(なましょく)する
ニシンを、調理前に-20度以下、24時間冷凍しなくてはならない、という法律ができました。
アメリカ合衆国のFDA(食品医薬品局)では
生食(なましょく)用の魚は、-35度以下で15時間または、
-20度以下で7日間の冷凍処理をすることとしています。
EU(欧州連合)の衛生管理基準では、
目視による寄生虫検査を義務化し、生食用の魚に関しては、
-20度以下で24時間以上の冷凍処理を指示しています。
日本ではどのように対策をしているのでしょう。
農林水産省HPより、下記の記述を見つけました。
ホーム➡消費者の部屋➡こどもそうだん
「漁獲された魚の管理はどのように行っていますか」という質問への答えです。
こどもそうだんなので、漢字にすべてフリガナがふってありましたが、割愛させていただきます。
答え:
漁師さんが、海から捕った魚は鮮度が命です。
日本近海などで捕った魚はだいたいが魚倉という
氷の入った船の倉庫に行ったん保存されます。
また、例えば小型一本釣りなどによって活魚で捕獲されるものについては、海水を入れた魚倉に入れ生きたままの状態で港まで運びます。中略
その後、鮮度が落ちないように大きさや種類などの区分けをし、魚箱に氷と一緒に移されてセリにかけられます。
競り落とした小売店や仲卸業者が、冷蔵・冷凍運搬車などに乗せて運んだものが魚屋さんややスーパーの店頭に並ぶわけです。生きた魚は活魚輸送車で運搬され料理屋などに出荷されます。
遠洋漁業の場合は、急速冷凍により魚を凍らせて運びます。漁船内で冷凍保管されたマグロは、鮮度が低下することなく⁻60度で冷凍倉庫に保管されます。
平成16年6月の回答 農林水産省HPより
つまり、生食(なましょく)用の魚でも、
冷凍することが義務付けられていないのが現状のようです。
厚生労働省のホームページでは、事業者に向けて
・冷凍してください(⁻20度で24時間以上)
・加熱してください(70度以上、60度以上なら1分)
との文言が小さく乗っているだけです。
日本では、高級な店であればあるほど、
冷凍していない魚の方が価値が高いとして、メニューに出されています。
新鮮な魚を選び、新鮮なうちに内臓を取り除いたり、目で見てしっかりと確認する、という作業を、熟練した調理師の方たちがやっているのでしょうね。
家庭での対策
生食用の魚の場合
・すぐ内臓を取りだす。
・目で見て確認する。
・不安なら、内臓を取りだしたのちいったん冷凍する。
・内臓を生で食べない。
・お刺身にする場合、薄く切る。
※アニサキスは体がちぎれると死んでしまうので、なるべく薄く切るといいそうです。
・よくかんで食べる
生食以外の魚の場合も、生食用とほぼ同じです
・内臓をすぐ取り出す
・目で見て確認する。
・不安なら、内臓を取りだしたのちいったん冷凍する。
・しっかりと加熱する(60度以上で1分以上)
・よくかんで食べる
例え、今回の我が家のように、アニサキスがついているのを発見したとしても、アニサキスを取り除き、
アニサキスが居た部位を取り除いて、しっかりと加熱処理しておけば食べられます。
過去3年間のアニサキスによる食中毒発生状況は増加傾向にあります。
4月から10月までが患者が多い時期です。
魚を食べる場合、少し気を付けて対処して美味しく頂きましょうね。
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